尾高の梅園 今
Ⅰ.シャトーおだか
アクセス:バス ④乗り場 大山寺行き 尾高上下車 26分 480円
大山道路を尾高上のバス停で右折(賑やかな旗や立て看板でシャトーおだかの案内があるので間違うことはない)。曲がりくねった坂を上り詰めると(ものの1分もかからないのだが)、左右に梅林が広がる。このまま行くと「シャトーおだか」なる宿泊施設がある。地理を探るために行きつくところまで、「おだか」まで行こう。ここはかって「尾高(米子)ハイツ」と言っていた施設だ。もうウン十年前のことだが、外観は全く変わっていない。

正面の飾り以外昔ながらの建物のシャトーおだか
「農園レストラン」とこれも派手に正面の壁面飾ってある。当地の農家からの食材を使用しているらしい。入口の左右に野菜が並んでいる。なにかあるかな?と一瞥してから中に入る。農園レストランがある。梅園で遊んでから何か食べようと下調べのつもりでメニューを見たり、レストランの中をのぞいたりする。昼ご飯はバイキング。大人690円。今日は中華らしい。あとで、と建物を出て本来の目的、梅園へ行くことにする。

農園レストラン
Ⅱ.梅園
駐車場に車を止め梅林の中へ。
道を挟んで左右にあるので、広そうな左へ入る。入り口の脇から庭園の奥に向かって小さなちいさな川が流れている。大山から下って来る山の雫が集まったものだろう。
梅の香が、微かに鼻腔に届いてくる。「梅ってこんなに香りが強かったかな?」まだ少し時期が早いのかも知れない。三分咲くらいなのに香りだけはしっかりと放っている。東屋がある。天気の良い日には弁当でも食べながら観梅できそうだ。

東屋から梅園をみる
痛ましい光景が目に飛び込む。先だっての雪の重みに耐えかねたのか、幹を裂かれ花をつけたまま倒れた枝の姿が彼方此方に見える。あの雪のあとまだ手入れがされていないのだろう。たとえ折れても、枝からの栄養が補給される限り、何もなかったかのように花を誇示する。我ら人間には出来ぬ芸当に、記憶のかなたに埋もれてしまった何か大切な塊を針で突かれたような、哀しいかな、そんな気がしてしまう。

枝は折れても花は咲く・・
梅といえば道真、天満宮。武蔵国の国府に谷保天満宮というのがある。季節になると茶店に類するものがいくつか出ており、受験の頃は賑わう。その梅園によく行ったものだ。梅の木もよく手入れされており、花もいささか大輪だ。
ここはあまりに違いすぎる。枝は折れたまま、売店もない、人のにぎわいもない。ただ梅がひっそりと咲いている。まるで道真が防府へ流され失意のうちに果てた人の宿命を遠くでじっと見ているかの如く、幹を引き裂かれ枝を折られても、しずかに咲いている。なかには派手に咲き誇るのもあるが、たいていはおとなしく控えめな花をつけるようだ。山陰にはその方が似合うのかもしれない。

より美しく・・より派手に・・・