境港市中野町の農地1ヘクタールに、復活を願って伯州綿の栽培がされています。
コットンボールも実り、いよいよ来月中旬から収穫も始まるようですよ。
伯州綿は独特の風合いと素朴な温かさで親しまれ、愛されている弓ヶ浜絣の原料にもなっていました。
砂地に適した綿の栽培から、女性たちは家事や農事の合い間、合い間に糸を挽き、家族の着心地のよい衣料のために、心をこめて織り上げていた弓ヶ浜絣。
その後、農家の副業となり幕末から明治中期にかけては最盛期で大阪、京都にも移出されていたそうですが、時代の移り変わりとともに現在の状況に至っています。
必需品であった絣は、すっかり高級品になっていますね。
永い月日と手間をかけ、心で織られていた絣の模様は家族の幸せを祈る思いから鶴亀、松竹梅、扇面、鼓など吉祥文が多かったようです。
『絣織り文化は農民の心やさしき遺産である』ともいわれていますが、美しい藍色に浮かぶ白地の模様を見ていると、懐かしく心に響くものを感じさせられます。
伯州綿の復活栽培を機に、無形文化財「弓ヶ浜絣」の素晴らしさを見つめてみてはいかがでしょうか。
米子市大篠津町にある
「アジア博物館・井上靖記念館」の『かすり館』には、絣作品、民芸品も多数陳列され、『染色工房棟』では、染めと織りの工程に関するもの一式が分かりやすく展示されていて楽しめますよ。
博物館の広い敷地内は、約300種にも及ぶ染料繊維植物園にもなっています。ゆったりと伝統文化に触れてみてはいかがでしょうか。